育休中の手取りはいくら?「手取り10割」の本当の条件と、給付金が入るまでの家計のしのぎ方
育休中の給付金は67%、50%、条件を満たせば80%。月給25万円・30万円の例で手取りを計算しました。夫婦の取り方で最初の28日の給付率がどう変わるか、入金が遅れる最初の数か月に生活費をどれだけ置いておくかもまとめています。
うちは新婚で、これから子どもが生まれるところ。共働きだから「育休を取ったら毎月いくら入るの?」はかなり気になってる。どっちが何日取るかは、うちもこれから考えるところ。
調べてみたら、よく聞く「手取り10割」は条件つきで、しかも期間限定だった。今回は厚生労働省の資料(2026年8月改訂版)をもとに、次の3つをまとめておくね。
- 給付金の計算のしかた
- 10割になる本当の条件
- 入金が遅れる時期のお金のやりくり
育休中のお金は「給料」じゃなくて「給付金」
育休中は、会社からの給料はふつう出ない。代わりに雇用保険から給付金が出る。主なものはこの3つ。
- 育児休業給付金:「休業開始時賃金日額×日数×67%」。67%なのは育休開始から180日まで。181日目からは50%になる。
- 出生時育児休業給付金(産後パパ育休の給付):子どもが生まれてから8週間以内に、最大28日まで67%。2回に分けて取れる。
- 出生後休業支援給付金(2025年4月にできた制度):条件を満たすと、最大28日分に13%が上乗せされる。67%+13%で80%。
ママの産後8週間は「産休」の期間。ここは育休給付の対象外で、代わりに健康保険から出産手当金(日給の3分の2くらい)が出る。こっちは勤め先の健康保険に問い合わせてね。
「賃金日額」は自分で出せる
給付のもとになる賃金日額は、育休前6か月の賃金(ボーナスは除く)を180で割った額。毎月の給料がほぼ同じなら、「月給×6÷180」(つまり月給÷30)で大体の額はつかめる。残業代や手当も含まれるから、きちんと出したいなら給与明細6か月分を足して180で割ってみて。
大事なのは、ボーナスは給付に入らないこと。ボーナスが多い会社の人ほど、年収のわりに給付が少なく感じるはず。
なぜ80%で「手取り10割」になるの?
育休中は、
- 申し出れば健康保険と厚生年金の保険料が免除になる
- 給料が出なければ雇用保険料もかからない
- 給付金は非課税(税金がかからない)
いつもの給料からは社会保険料と税金が引かれるから、手取りは額面よりだいぶ少ない。給付金からは何も引かれないので、額面の80%が出ればいつもの手取りとほぼ同じ、つまり「手取り10割相当」になる。こういう仕組みなんだね。
逆に言うと、80%になるのは最大28日分だけ。そのあとは67%、181日目からは50%に下がる。
月給25万円・30万円で計算してみる
毎月の給料が同じで残業なし、という単純な例。分かりやすいように30日分で計算してる(実際の支給額は日数で決まる)。いつもの手取りは扶養の有無や住んでいる市町村で変わるから、「おおよそ」で見てね。
| 月給25万円 | 月給30万円 | |
|---|---|---|
| 賃金日額(月給×6÷180) | 約8,333円 | 10,000円 |
| いつもの手取り(おおよそ) | 20万円前後 | 23〜24万円前後 |
| 80%(30日に直した目安) | 約20万円 | 24万円 |
| 67%(〜180日) | 16万7,500円 | 20万1,000円 |
| 50%(181日〜) | 12万5,000円 | 15万円 |
※13%の上乗せは最大28日分まで。28日分で計算すると、80%の給付は月給25万円なら約18万7千円、30万円なら22万4千円。
月給25万円の人だと、いつもの手取り20万円前後に対して67%の期間は16〜17万円くらい、50%の期間は12〜13万円くらい。67%でいつもの手取りの8割強、50%だと6割強と思っておくと分かりやすい。
給料が高い人は10割にならない
賃金日額には上限があって、16,540円(下限は3,203円。どちらも2027年7月31日までの額)。30日分の上限は、67%で332,454円、50%で248,100円。出生後休業支援給付金の28日分の上限は60,205円。
月給に直すと、だいたい月49万6千円(16,540円×30日)を超える人は上限に当たる。そういう人は80%の期間でも手取り10割には届かない。
夫婦の取り方で、最初の28日の給付率が変わる
13%の上乗せ(出生後休業支援給付金)の条件はこう。
- 本人が「対象期間」に通算14日以上育休を取る
- 配偶者も14日以上育休を取る
- 対象期間は、パパは子どもが生まれてから8週間以内、ママは産休のあと、原則16週まで
ただし、配偶者が働いていない、自営業やフリーランス、産休中といった場合は、配偶者が育休を取らなくてもいい。
| 取り方 | ママ(産休明けの育休) | パパ |
|---|---|---|
| ママだけ育休(パパは取らない、または14日未満) | 最初から67% | 取った日は67% |
| パパだけ生後8週以内に14日以上(ママは産休のあと育休を取らない) | ―(育休給付なし) | 最大28日分が80%(ママが産休中なので、ママの育休は要らない) |
| パパが生後8週以内に14日以上、ママも16週までに14日以上 | 最初の28日分は80%、その後67% | 最大28日分が80% |
| 配偶者が働いていない・自営業・フリーランスなど | 本人が14日以上取れば最大28日分が80% | 同じく80% |
共働きの場合、パパが14日以上取るかどうかでママの最初の28日が67%か80%かに分かれる。差は13%×28日分で、月給25万円なら約3万円、30万円なら3万6,400円。これが夫婦それぞれにつく。
自分たちがどの行に当てはまるか迷ったら、下にリンクしたPDFの条件を夫婦で一緒に読むのがいちばん確実だよ。
本当に苦しいのは、入金までの「最初の数か月」
給付率より気をつけたいのが、お金が入ってくるタイミング。
- 産後パパ育休の給付:申請できるのは、子どもが生まれて8週間たった次の日から。支給が決まってから約1週間で振り込まれる。早くても生まれて2か月ちょっと先ということ。
- 育児休業給付金:申請は原則2か月ごとで、会社を通して手続きする。だから最初の入金は休業開始から数か月後になることがある。
- 出産手当金:いつ入るかは健康保険によるので、勤め先の健康保険に確認を。
ママの場合、産休の8週間が終わってから育休が始まり、育休給付の申請は2か月ごと。単純に足すと、生まれてから数か月は育休給付が1円も入らないこともある。
その間も、出ていくお金は止まらない。
- 住民税:前の年の所得にかかるから、育休中も請求が来る。給料から引けないので、納付書で自分で払うことがある。
- 固定費:家賃、保険、スマホ代など。沖縄は車社会だから、車のローンや保険、ガソリン代も育休中そのまま出ていく。うちも賃貸で車が2台あるから、ここは他人事じゃない。
- 出産前後の買い物:ベビー用品など。
生活費は何か月分、手元に置いておく?
家庭ごとに違うから決まった答えはないけど、こう数えると自分の家の分が出せる。
- 1. 休む人のお金が入らない月をカレンダーに書く。 産休に入った月から、育休給付が初めて入る月まで。出産手当金がいつ入るかも勤め先で聞いて書き込む。
- 2. 「入らない月の数 × 休む人がいつも家計に入れている額」を出す。
- 3. 育休中の住民税を足す。 前の年の住民税の決定通知書(給与明細と一緒にもらう紙)で年額が分かる。
- 4. 出てきた額を、いつもの口座とは分けた普通預金に置いておく。NISAみたいに値動きがあるところとは別にしておくのが安心。
うちもこれから夫婦でこのカレンダーを作ってみるつもり。実家が近くて頼れるのはありがたいけど、手伝ってもらうのとお金のことは別だから、自分たちで用意しておきたいなと思ってる。
復帰したあとの「時短」にも給付がある
2025年4月から、育児時短就業給付金もできた。2歳未満の子どものために時短勤務をすると、時短中の賃金の原則10%が出る。復帰後に時短にするか迷っている人は、これも頭に入れておいてね。細かい条件は別の資料になってるので、会社か職場を管轄するハローワークで確認を。
まず何からやる?
- 1. 給与明細6か月分で賃金日額を出す。 月給÷30でまず大まかに。上限(16,540円)を超えていないかも見る。
- 2. 夫婦それぞれ14日以上取れるか、職場に相談する。 パパは生後8週以内、ママは産休明け16週以内がポイント。
- 3. お金がいつ入るか聞く。 出産手当金は勤め先の健康保険に、育休給付の申請スケジュールは会社の担当者に。
- 4. 住民税の払い方を確認する。 育休中は納付書になるかどうか。
- 5. 入らない月の数×手取りの額を、別の口座に分けておく。
制度の数字は改定されることがあるので、最新の情報は必ず公式の資料で確認してね。ここに書いた金額は分かりやすくした目安で、確定額じゃないよ。
出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2026年8月改訂版・PDF) ↗
この記事は 2026-10-20 時点の情報です。制度や金額は年度で変わります。手続きの前に、住んでいる市町村の窓口や公式サイトで最新の内容を確認してください。