沖縄で公営住宅に入るには? 年1回・2週間の申込みを逃さないための基本と、いま受付中の募集
県営と市町村営は両方に申し込める。収入は「給料の額面」では判断しない。申込みは年1回・2週間ほど。沖縄の公営住宅に入るための条件、家賃の決まり方、空き家待ちの流れ、2026年秋に受付中・受付予定の市の募集をまとめました。
うちの実家は公営住宅。だから団地の暮らしは子どものころから身近だった。
それなのに、自分が大人になって家を探す側になったら「公営住宅ってどうやって入るの?」がまったく分かっていなかった。調べてみると、知らないと損するポイントがいくつかある。
特に大事なのはこの3つ。
- 1. 申込みは年1回、期間は2週間くらいしかない
- 2. 収入の基準は「給料の額面」で判断しない
- 3. 県営と市町村営は別の募集なので、両方に申し込める
各市町村の募集時期は、一覧ページにまとめてある。この記事はその一覧と対になる「入り方の説明書」として読んでほしい。
公営住宅は、共働き子育て家庭の選択肢になる?
公営住宅は「収入が少ない人のための住宅」というイメージが強い。でも沖縄だと、思ったより多くの家庭が対象になるかもしれない。
沖縄は所得水準が全国でも低いほうなのに、電気代は本土より高い。車社会だからガソリン代も車の維持費も重い。そのうえ子どもが多い家庭も多い。毎月の固定費でいちばん大きい家賃を抑えられたら、家計はだいぶ楽になる。
うちは共働きで、今は賃貸。これから子どもが生まれるところで、住宅の購入も考えている。こういう家庭にとって、公営住宅はこんな使い方ができる。
- 家を買うまでのつなぎとして、家賃を抑えて住む
- 家賃を抑えた分を貯めて、頭金や教育費にまわす
ただし、県営住宅は入居する人全員が持ち家を持っていないことが条件。家を買ったら出ることになる前提で考えよう。それから、後で書くとおり空き家待ちは「いつ入れるか」が読めない。だから「入れたらラッキー、その間に貯める」くらいの気持ちで、いくつかある選択肢の一つとして持っておくのがちょうどいいと思う。
県営住宅に申し込める人の条件
沖縄県が出している県営住宅(空き家待ち募集)の申込資格は、主にこんな内容。
- 同居する親族がいること(60歳以上の人、障害のある人、生活保護を受けている人、DV被害者などは単身でも申し込める)
- 収入が基準以下であること
- 一般世帯:月15万8000円以下
- 裁量世帯:月21万4000円以下
- 入居する人全員が持ち家を持っていないこと
- 県内に住所があること
- 県税・住民税の滞納がないこと
- 県の条件に合う緊急連絡人を用意できること
- 暴力団員でないこと
「裁量世帯」は、基準が少しゆるくなる世帯のこと。60歳以上の人だけの世帯、障害のある人がいる世帯、小学校に上がる前の子どもがいる世帯などが入る。子育て世代は、上の子が未就学のうちならこちらの基準で見てもらえる可能性がある。妊娠中の扱いなど、自分の家庭がどちらに当たるかは県の案内で確認してほしい。
出典:沖縄県 県営住宅空家待ち募集申込資格 ↗(毎年度見直されることがあるので、申し込む年の最新の内容を確認しよう)
「月15万8000円」は給料の額面じゃない
ここが一番大事なところ。
「月15万8000円以下」と聞くと、「うちは手取りでもそれより多いから無理だな」と思いがち。でも、この「月収」は給料の額面のことではない。
北谷町の説明では、公営住宅の収入はこう計算する。
> 収入月額 =(所得 − 控除額)÷ 12
使うのは「収入」ではなく「所得」。そこからさらに、扶養している家族の数などに応じた控除を引いて、12で割る。いわゆる「政令月収」と呼ばれるものだ。
会社員なら、源泉徴収票の「支払金額」が額面で、その横の「給与所得控除後の金額」が所得にあたる。つまり、
- 1. 額面から給与所得控除を引いたもの(=所得)を出す
- 2. そこから扶養親族などの控除を引く
- 3. 12で割る
この順番で計算するので、額面の月給よりかなり小さい数字になることが多い。子どもが生まれて扶養する家族が増えれば、引ける控除も増える。
控除の種類や金額、共働きの場合に世帯の収入をどう数えるかは、募集のしおりに書いてある。手元に源泉徴収票を用意して、しおりの計算方法どおりにやってみてほしい。最後は窓口で「この書類だとうちはどうなりますか」と聞けばはっきりする。額面だけ見て諦めないこと。
家賃は「収入」と「部屋」の両方で決まる
公営住宅の家賃は、どの家庭も同じ金額というわけではない。「応能応益」という考え方で決まる。
- 応能=入居している人の収入(払える力)に応じる
- 応益=住宅の場所・広さ・古さ(住むことで得られる便利さ)に応じる
北谷町の説明によると、流れはこんな感じ。
- 1. 毎年度、入居者が収入を申告する
- 2. 収入の区分ごとに家賃算定基礎額が決まる
- 3. そこに立地・広さ・建ってからの年数・便利さの係数をかける
- 4. ただし、近くにある同じような民間住宅の家賃が上限
つまり、同じ団地でも収入によって家賃は変わるし、同じ収入でも新しくて広い部屋なら高くなる。
もう一つ大事なのは、入ってから収入が増えたとき。収入が基準を超えると家賃が上がっていき、高額所得者と判定されると、最終的には近くの民間と同じくらいの家賃になる。共働きで収入が上がっていく家庭なら、「ずっと安く住み続けられる」とは考えないほうがいい。家を買うまでのつなぎ、と最初に書いたのはこのためでもある。
具体的な家賃は部屋と世帯によって違う。気になる団地があれば、募集のしおりや窓口で確認しよう。
県営住宅は「抽選で順番を決めて、空き家を待つ」
県営住宅は、申し込めばすぐ入れる仕組みではない。流れはこう。
- 1. 年1回の募集に申し込む(例年6月下旬〜7月中旬ごろ)
- 2. 抽選で入居待ちの順位が決まる
- 3. 順位が上の人は、資格審査の書類を期限内に出す
- 4. 審査に通ると空き家待ち名簿に登録される
- 5. 空き家が出たら、順位どおりに案内される
注意したいのは、空き家が予想より出なければ入れないこともあるという点。名簿に載っても必ず入れるわけではない。
令和8年度(2026年度)の募集は7月6日〜7月17日で、もう終わっている。次は来年(2027年)の同じ時期になるはずなので、春ごろから県の案内をチェックしておこう。問い合わせ先は沖縄県土木建築部住宅課。
市町村営住宅は別の募集。両方出せる
県営とは別に、市町村が持っている市町村営住宅がある。こちらは市町村ごとに募集していて、県営と市町村営の両方に申し込める。
県営の募集を逃しても、市町村営ならこれから受付というところがある。2026年秋の主な募集はこちら。
| 市町村 | 受付期間 | メモ |
|---|---|---|
| うるま市 | 10月1日〜10月16日 | 郵送(消印有効) |
| 沖縄市 | 10月5日〜10月16日 | |
| 豊見城市 | 郵送 10月19日〜10月30日/窓口 10月26日〜10月30日 | 豊見城団地(市改良住宅) |
| 浦添市 | 11月9日〜11月20日 | 予定 |
| 那覇市 | 例年1月 | 次は2027年1月ごろ |
うるま市と沖縄市は10月16日までで、もう受付中。 気になる人は急ごう。
見てのとおり、時期は市町村によってバラバラ。そして多くは年1回、2週間ほどしかない。逃すと次は1年後になる。
もう一つ注意したいのは、条件が市町村ごとに違うこと。「その市に住んでいるか、勤め先がその市にあるか」といった要件があったりする。必ずその市町村の募集のしおりで確認しよう。しおりは市役所の住宅担当の窓口や、市のサイトで手に入ることが多い。「◯◯市 市営住宅 募集」で検索すると見つけやすい。
県内41市町村の住宅担当の連絡先は、県が一覧にしてくれている。離島の町村もここで探せる。
各市の募集時期は、一覧ページで随時更新している。
申し込む前にそろえておきたいもの
受付期間が短いので、書類集めでもたつかないように先に準備しておくと安心。
- 収入が分かる書類(源泉徴収票や所得証明書など。何が必要かはしおりで確認)
- 住民票など、世帯と住所が分かる書類
- 税金の滞納がないことの確認(県営は県税・住民税の滞納がないことが条件)
- 緊急連絡人をお願いする相手(県営は県の条件に合う人が必要。親や親せきに早めに相談を)
書類は市役所でしか取れないものもある。平日に休みを取らないといけないこともあるので、共働きの家庭ほど早めに動いておこう。
まず何からやるか
- 1. 源泉徴収票を出して、「給与所得控除後の金額」を見る。 額面で諦めず、しおりの計算方法で収入月額を出してみる
- 2. うるま市・沖縄市が気になるなら、10月16日の締切に間に合わせる。 豊見城市・浦添市もこれから受付
- 3. 住みたい地域の市町村の募集時期を確認する。 一覧ページか、県の問い合わせ先一覧 ↗から担当課へ
- 4. 県営は来年6月下旬〜7月中旬ごろの募集にそなえる。 緊急連絡人を誰にお願いするかも今のうちに考えておく
- 5. 県営と市町村営、両方に出す。
公営住宅は「いつ入れるか読めない」のがいちばんの難点。でも申し込まないと順番すら回ってこない。家を買うか、賃貸を続けるかを考えているうちにも、申込みは年1回・2週間でやってくる。まずは締切をカレンダーに入れるところから始めよう。
※条件・計算方法・募集日程は年度や市町村によって変わります。申し込む前に、必ず県や各市町村の最新の募集案内を確認してください。
この記事は 2026-10-09 時点の情報です。制度や金額は年度で変わります。手続きの前に、住んでいる市町村の窓口や公式サイトで最新の内容を確認してください。