妊婦健診、受診票でタダになるのはどこまで?|沖縄の助成と自己負担、里帰り・産後健診まで
妊婦健診は14回分を公費で助成してくれるけど、全部タダになるわけじゃない。最初の妊娠判定から受診票を使う流れ、自費になる場面、県外で受けたときの払い戻し、産後の健診まで、沖縄の市町村ページをもとに順番にまとめました。
前回の記事では、妊娠がわかってから1歳までにもらえるお金と手続きをまとめた。今回はその中でも回数が一番多い「妊婦健診」の話。
「妊婦健診はタダ」と聞くことがあるけど、正確には受診票に書いてある検査がタダ(公費)で、それ以外は自分で払う。どこまでが公費で、どこから自費なのかを、妊娠がわかったところから順番に整理してみる。
うちもこれから子どもが生まれるところなので、調べながら「これは最初に知っておきたかった」と思ったことを中心に書いていく。
最初の受診(妊娠判定)は自費
妊娠検査薬で陽性が出て、産婦人科で「妊娠してますね」と確認してもらう最初の受診。ここは公費の対象外で、自分で払う。
理由はシンプルで、健診の受診票は親子健康手帳(母子健康手帳)と一緒に市町村からもらうもの。手帳をもらう前は、まだ受診票を持っていない。沖縄市のページでも、妊娠判定のための受診と、手帳をもらう前の健診は対象外と書かれている。
なので流れはこうなる。
- 1. 病院で妊娠を確認してもらう(自費)
- 2. 市町村に妊娠届を出して、親子健康手帳と受診票をもらう
- 3. 次の健診から受診票を病院に出して受ける
手帳をもらうまでの間に健診を受けると、それも自費になる。病院から「次は◯週ごろに」と言われたら、それまでに手帳と受診票を受け取っておくと安心。
受診票を使えば14回分が公費
妊婦健診は14回分が公費で助成される。那覇市・沖縄市・糸満市のページで14回と確認できたし、国の調査では全国の全市区町村が14回以上助成している。双子以上を妊娠している場合は、那覇市・沖縄市では5回分が追加される。
健診の中身は、沖縄市の例だと問診・診察、血圧・体重の測定、尿検査、血液検査、超音波検査など。受診票を病院の受付に出して受けるだけで、受診票の範囲の検査は、窓口で払わずに済む。
沖縄はみんな「受診券方式」
こども家庭庁の調査(2023年4月1日時点)では、沖縄県は41市町村すべてが「受診券方式」。受診票に検査項目が書いてあって、その項目を公費で受けられる方式のこと。
同じ調査で、妊婦1人あたりの公費負担額の平均は沖縄県が99,100円、全国平均が108,481円。あくまで市町村の平均で、もらえる額が決まっているわけではないし、年度で変わることもある。ただ「受診票に書いてある範囲」がそのまま公費の範囲だと思っておけば、迷いにくい。
出典:こども家庭庁 妊婦健康診査の公費負担の状況(PDF) ↗
自己負担が出るのはこんなとき
受診票を使っていても、窓口で支払いが出ることはある。沖縄市・糸満市のページで対象外とされているのはこのあたり。
- 妊娠判定のための受診(上で書いたとおり)
- 手帳をもらう前の健診
- 保険診療…健診の途中で病気が見つかって治療した、薬が出た、など。これは健康保険の扱いになる
- 受診票に書いていない検査…病院が独自にすすめる検査など
- 上限を超えた分…受診票の上限額より病院の健診代が高ければ、差額は自費
どのくらい自費になるかは病院ごとに違うので、ここで金額は出せない。そのかわり、自分で確かめる方法が2つある。
1. 最初の健診で病院に聞く
受付で「受診票を使ったときに、自費になるのはどの検査ですか?」と聞いてみる。毎回の差額があるのか、特定の回だけなのか、先にわかると家計の見通しが立てやすい。
2. 領収書を見比べる
毎回の領収書や明細で、自分で払った分が何の検査なのかを見ておくと、「思ってたより払ってる」を防げる。償還払いの申請で領収書が必要になることもあるので、健診の領収書は全部とっておくのがおすすめ。
里帰り出産で県外の病院にかかるとき
沖縄の受診票は、基本的に県内の医療機関で使うもの。県外の実家に帰って健診を受けるときは、だいたいこうなる。
- 1. 県外の病院ではいったん全額を自分で払う
- 2. あとで住んでいる市町村に申請して、助成の範囲内で払い戻してもらう(償還払い)
那覇市では、保険が適用された費用は払い戻しの対象外。沖縄市は、県外でも契約している医療機関なら受診票が使える場合がある。
申請の例として、糸満市の場合はこう決まっている。
- 期限:1回目の受診日の翌日から1年以内
- 必要なもの:領収書(または受診証明書)、手帳の写し、通帳かキャッシュカードの写し、受診票
- 2026年4月から申請はオンラインに一本化
期限も書類も市町村ごとに違うので、里帰りを決めたら出発前に役所の母子保健の窓口に聞いておくのが確実。受診票は捨てずに持っておこう。
妊娠中に引っ越すとき
受診票は住んでいる市町村が出しているもの。県内でも転出したら、転出先の市町村に問い合わせを。那覇市の場合、県外から転入した人には妊娠週数に応じた受診票を出してくれる。
産後の健診(産婦健診)
出産したあと、ママ自身の体と心の状態をみる「産婦健診」にも助成がある市町村がある。那覇市の例はこう。
- 産後2週間ごろと1か月ごろの2回
- 1回あたり上限5,000円まで助成、超えた分は自己負担
- 産後8週間を過ぎると受けられない
- 赤ちゃんの健診は対象外(ママの健診だけ)
沖縄県のページによると、産婦健診を実施していない市町村もある。県のページに実施市町村の一覧PDFがあるので、自分の市町村が入っているか確認しておこう。
自己負担分に当てられるお金
健診の自費分は、1回1回は大きくなくても、回数が多いので積み重なる。そこで頭に入れておきたいのが「妊婦のための支援給付」。妊娠届のときに5万円、妊娠後期にこどもの数×5万円が出る。手続きの流れは前回の記事で書いたので、ここでは「健診の自費分にも使えるお金がある」とだけ覚えておけばOK。
出典:こども家庭庁 妊婦のための支援給付のご案内(PDF) ↗
41市町村で少しずつ違う
今回確認したのは那覇市・沖縄市・糸満市の3つだけ。14回の公費助成は共通だけど、多胎の追加回数、県外での受診票の扱い、償還払いの期限や書類、産婦健診をやっているかどうかは市町村によって違う。お住まいの市町村のサイトで「◯◯市 妊婦健診」と検索するか、妊娠届を出すときに窓口でまとめて聞いてしまうのが早い。
まず何からやるか
- 1. 最初の妊娠判定は自費と思って病院へ。領収書はとっておく
- 2. 妊娠が確認できたら、早めに市町村で妊娠届。手帳と受診票をもらう
- 3. 最初の健診で「受診票を使ったときに自費になるのはどれか」を病院に聞く
- 4. 毎回の領収書で公費の分と自費の分を見分けて、全部保管
- 5. 里帰りするなら、出発前に償還払いの期限と必要書類を市町村に確認
- 6. 自分の市町村が産婦健診をやっているかを確認(産後8週間まで)
制度の中身は年度で変わることがあるので、最新はお住まいの市町村のページか、子育て支援・母子保健の窓口で確認してね。
この記事は 2026-10-23 時点の情報です。制度や金額は年度で変わります。手続きの前に、住んでいる市町村の窓口や公式サイトで最新の内容を確認してください。